幣園の製茶施設は、(株)カワサキ機工60kg1ライン(葉打ち機含む)の製茶システムです。
搬入された茶葉(生葉)の持ち味を充分生かす様配慮しております。
【製茶の基本-1】
生葉含水率の計算・・・お茶の製造には乾量基準を用います。
乾量基準含水率=水分量/乾物量×100 (下記画像生葉の含水率は15.7/4.3×100=365.1%)
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1.高性能計量器にて生葉20gを計量します。 | 2.電子レンジにて水分を完全に除去します。 |
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3.乾燥した茶葉を再度計量します。 | 4.含水率を基にパソコンにて風量他の計算 |
【製茶の基本方針-2】
生葉は、摘採後も呼吸を続けている為、時間の経過と伴に品質は低下します。特に傷口ではカテキンが酸化し、水色の赤みや苦渋身の原因となります。
茶園より搬入された良質の茶葉は、生葉自動コンテナで一時保管、熱を抜いた後即刻製造に移します。
緑茶の生命は鮮度です。新鮮且つ爽やかな香味を保持する第一歩です。
右は日本茶の特徴である蒸機での蒸熱作業です。
茶葉(生葉)の酵素を失活させる事により緑茶の緑色が保たれます。生葉中の青臭を除去し、茶葉の柔軟性を増加させ以後の工程の揉み作業を容易にする重要な工程です。
幣園の蒸熱時間は、原葉によっても異なりますが90秒程度を目安に行っています。
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【マイコン制御システム】
製茶機械にもマイコンによるコンピュータ制御が導入されています。これにより製品の高品質化と均一化が可能になりました。
左が粗揉機の制御ボックスで右は自動精揉機です。特に粗揉機(5IW型)は刻々変化する外気の絶対湿度をセンサーで読み取り、制御ボックス内のマイコンにより熱風温度と熱風量を自動制御するという優れもので、データを入力すれば1日中均一な下揉みを行います。(値段もいいなあ〜)
生葉自動コンテナとこれらの制御システム・自動精揉機の導入によりオペレーター1人での操業が可能になりました。(かなり多忙ですけど)(^_^;
【製品保管並びに仕上げ加工】
一次加工(荒茶)を終えた製品は、即刻真空充てん処理を行い冷蔵庫に保管します。
摘採から加工・冷蔵保管するまでの工程をスピーディー且つ丁寧に行う事が重要なポイントです。
その後、随時必要に応じて二次加工(再製作業)を行います。
【伝統の継承】
手揉み作業の様子です。ほいろの上で約4〜5時間かかって揉み上げます。
製茶システムがマイコン化してもそれを使用するのはユーザーです。
地域の有志数名で昔ながらの手揉み技術を習得し始めて十数年になりますが、茶葉の感覚をコンピューター制御に生かしています。
「福岡の八女茶手揉み保存会」より上級者認定証を頂きました。
でも、腰が痛〜い。(^_^;